馬の見る世界

【馬の豆知識】

・馬の見る世界

以前にこのブログで馬の視野についてご紹介しました。

馬は草食動物なので、肉食動物から逃げなければ生きていけませんでした。
そのため、馬の目は頭部の横の方についており、これによって視野が広がり、およそ350度の視野を持つことができました。

しかし、視野は広いですが馬は視覚による距離の感覚があまりつかめていないことが分かっています。
馬は視野の約80%は片目で見ており、焦点を合わせる筋肉もそれほど発達していないからです。
馬は近くのものを見ようとする時は頭を上げて焦点を合わせようとし、逆に遠くのものを見ようとする時には頭を下げて上目づかいのように見て焦点を合わせます。

馬に近づくと馬が頭を上げてこっちを見ていたという経験がある方も多いのではないでしょうか。

あの仕草は焦点を合わせてこっちを確認していたということなんです。

 

このような特徴を持った馬の目ですが、先日非常に興味深い研究結果が発表されました。
馬は図形の識別方法が人間などの他の哺乳類と似ているということが実験の結果分かったのです。
つまり、人間と見ている世界がよく似ているということなのです。
馬はこれまで「◯」や「×」などの図形をどのように認識しているかは分かっていませんでした。

 

以下、京都新聞社ホームページ「ウマも似た世界見ている 京大が識別方法確認」からの引用。

【グループは、岐阜県内の乗馬施設で飼育するウマ3頭について、八つの図形の識別能力を調べた。実験はタッチパネルを用いて行われ、最初に示された図形と同じだと認識する図形をウマが口で押して回答した。

分析の結果、「○」や「S」など曲線型、「□」や「H」などの水平線・垂線型、「×」や「△」などの斜線型の各図形について、同じ型では似た形と認識しており、先行研究のあるヒトやイルカ、チンパンジーと似ていた。ヒトでは最初に図形の輪郭を見る傾向があるのに対し、ウマは図形内部に注目しているという違いも確認できた。

友永准教授は「イルカは水中で暮らしており、視力が0・01しかない。一方、ウマは開けた場所に生息し、視覚の依存度も大きく違うはずなのに、見ている世界は似ているというのが興味深い」と話している。】

 

馬は色覚では赤色系の識別が難しいことが分かっています。

しかし、「◯」や「×」などの図形をキチンと認識できるということはやはり優れた視覚を持っているということでしょう。

人間と同じような世界を馬も見ているとなるとますます馬に親近感が湧いてきますね。

馬の見る世界

 

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小説「天翔る」

・小説「天翔る」

読書の秋ということで(もうすぐ冬ですが・・)、今回のブログでは乗馬に関する小説を一冊ご紹介したいと思います。

 

「天翔る」村山由佳

天翔る

 

あらすじ

【心に傷を負った少女まりも。

不登校になったまりもを看護師の貴子は牧場へと誘い、そこでまりもは乗馬を始める。

風変わりな牧場主、芸能プロダクションの社長、そして乗馬耐久競技であるエンデュランスとの出会い。

やがてまりもはエンデュランスの最高峰であるデヴィスカップに挑みます。】

 

 

まりもが色んな人や馬と出会い、乗馬を通して少しずつ自分を取り戻していく姿、また登場人物のそれぞれが過去に心の傷を負っており、乗馬を通してお互いを支え合う姿に感動させられます。

 

この「天翔る」は乗馬のエンデュランスを題材とした小説ですが、エンデュランスは障害馬術や馬場馬術に比べると競技人口も少なく、まだまだ日本ではメジャーとはいえないかもしれません。

しかし、馬の体調を最優先に考えながら行う競技であり、人馬の一体感を実感できる競技でもあるので非常に奥が深い競技です。

この「天翔る」からはそんなエンデュランスの魅力だけでなく、エンデュランスの過酷さや辛さが伝わり、またエンデュランスにおいての人馬一体となった達成感が伝わります。

 

私は読書が好きで色々な本を読んでいるのですが、最近読んだ本の中でもこの「天翔る」はかなり面白くグイグイと物語の中に引き込まれていきました。

馬が登場する小説の中には「著者はあまり馬のことを知らないな」と思わせるものも多いのですが、この小説はそれらとは違って馬に関する細かい表現などを見ても著者が本当に馬に詳しく、馬のことがお好きなんだなと感じさせられます。

馬好きの方なら間違いなく読んで損はないはずですよ。

オススメの一冊です!

 

 

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発情をコントロールする

【馬の豆知識】

・発情をコントロールする

前回のブログでご紹介したように牝馬は春から夏にかけて一日の日照時間が長くなっていくと発情が訪れる「季節繁殖動物」です。

 

ではなぜ一日の日照時間が長くなると発情につながるのでしょうか?

日照時間が長い季節では目から入る光の刺激が多くなっていきます。

光の刺激が多いと、視床下部という神経器官から性腺刺激ホルモン放出ホルモンというものが放出され、そのホルモンに刺激された下垂体からホルモンが放出されます。

そうすると卵巣が排卵を起こし、子供をつくる身体の準備ができます。

このことから日照時間の長さが牝馬の発情につながっていくのです。

 

では人工的に日照時間を変えると発情期をコントロールできるのでしょうか?

馬房の中に明るい照明をつけ、夜になっても光を当てて日照時間を人工的に長くすると、自然の光のみで生活している馬よりも排卵時期が早くなったという研究結果が出ています。

 

このことから人工的に日照時間を調整することで発情期をある程度コントロールでき、仔馬の出産時期をコントロールできるということになります。

 

競走馬の世界では早生まれは歓迎される傾向にあるようです。

早く生まれた分、早い時期のレースでは成長度の面で有利になったり、セリなどでも体の成長で遅い生まれの馬よりも優位に立てるからです。

小学校低学年の時期を思い出してみると、体育の時間などでクラスで運動ができる子というのは4月生まれや5月生まれが多かったのではないでしょうか?

 

ただ、人工的に日照時間を変えて出産時期をコントロールすることが牝馬や仔馬たちにとっていいことなのか悪いことなのかは、なるべく自然な形で出産させた方がよいという意見もあり、人によって賛否両論ありそうです。

牝馬の発情

 

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牝馬の発情

【馬の豆知識】

・牝馬の発情

人間の場合は季節に関係なく性行為を行うことができますが、馬の場合は決まった季節しか行うことができません。

 

牝馬の発情(牡馬を受け入れる状態とそれを牡馬に知らせる現象。そして妊娠できる体の準備が整うこと)は春から夏にかけて訪れます。

このようにある特定の季節にだけ繁殖性を示す動物のことを「季節繁殖動物」といいます。

 

馬は春から夏にかけて一日の日照時間が長くなっていくと良好な発情状態が訪れることになります。

では、なぜ馬は春から夏の日照時間が長い時期に発情を現すのでしょうか?

 

馬のような季節繁殖動物は仔馬を育てるのに都合のよい時期に出産できるように、牝馬が牡馬を受け入れることのできる発情期を調整していると考えられます。

冬を越え、春から夏になると草が豊富に生えてくる時期です。

仔馬の健やかな成長のため、また出産後の母馬の健康維持には食事によって十分な栄養を摂取できる環境が必要です。

馬の妊娠期間はおよそ11ヶ月なので春に発情を迎え、翌年春に出産することが、子育てには最も適しているということになるのです。

 

これは他の草食動物にも当てはまり、羊や山羊も季節繁殖動物になります。

ところが羊や山羊は馬と違い、秋から冬へと一日の日照時間が短くなっていくごとに良好な発情が訪れます。

羊や山羊は妊娠期間がおよそ5ヶ月と馬よりも短いので、秋に発情期を迎えることによって子育てに適した季節に出産できることになるのです。

 

動物の本能というのは本当に凄いですね。

牝馬と仔馬

 

 

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