馬は人の表情を認識できる?

【馬の豆知識】

・馬は人の表情を認識できる?

人間は他の人の気持ちを顔の表情で判断します。

笑っている顔、悲しんでいる顔、怒っている顔など、表情を見れば大体その人の気持ちが分かります。

では馬は人間の笑っている顔や怒っている顔などを認識することができるのでしょうか?

 

人が馬に感情を伝える時に使用するのは主に「声」です。

馬を褒めるときや落ち着かせる時、または馬を怒る時など、馬は人間の声のトーンで感情を読み取ります。

しかし、最近の研究の結果で「馬は人間の笑顔や怒った顔を見て感情を認識できる」ということが発表されたのです。

 

以下、CNN.co.jp 「馬は人の表情を認識、怒り顔に心臓バクバク 英調査」より引用

【(CNN) 馬は人間の笑顔や怒った顔を見て感情を認識できる――。英サセックス大学の研究チームがそんな調査結果を発表した。

研究チームは心理学調査の一環として、人間のさまざまな表情を大写しにしたカラー写真を馬28頭に30秒間見せ、反応を調べた。

その結果、歯をむき出しにして怒った男性の顔の写真を見せられると、馬たちの心拍数が大幅に上昇することが分かった。

怒り顔の写真に対しては、首を動かして左目で見ようとする動作も見せた。これは負の刺激に関連した仕草で、馬の左目から入った情報は、脅威にさらされた環境を専門とする右脳の領域で処理されるという。

研究チームを率いるエイミー・スミス氏はこの結果について、「馬には種の壁を越えて感情を読む能力があることが示された」と評価。「馬の社交能力の高さは昔から知られていたが、人間の表情のプラスの感情とマイナスの感情を区別できることが初めて分かった」と解説する。

うれしそうな顔と怒った顔に対する馬たちの反応を比べると、怒った顔に対する反応の方が強かった。スミス氏によれば、「怒り顔を認識することで、乱暴に扱われるといった人間の否定的な行動を予期できる」という。】

 

馬は人間の感情を敏感に察知できるというのは有名です。

しかし、人間の表情まで読み取ることができるのですから凄いですね!

 

ペットは飼い主の性格に似るといわれます。

馬も普段よく世話をする人の性格に似る傾向があるように思います。

それは馬が普段接している人の表情をよく読み取っているからなのかもしれませんね。

馬は人の表情を認識できる?

 

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小説「颶風の王」

・小説「颶風の王」

今回のブログでは皆さんにオススメしたい馬に関する素敵な小説をご紹介したいと思います。

 

颶風の王(ぐふうのおう)  河崎秋子

颶風の王

 

前回までのブログで北海道にあるユルリ島の野生馬のことをご紹介しましたが、実はこの「颶風の王」にはユルリ島がモデルとなった話が出てくるのです。

もちろんユルリ島の歴史をそのまま書いてあるという訳ではなく、物語の中では花島という名前で登場するので実際の島の歴史とは異なります。

しかし、ユルリ島の歴史をあらかじめ知った上でこの本を読むと、さらに物語を深く味わうことができるのではないでしょうか。

 

この「颶風の王」は三浦綾子文学賞受賞で、先日発表されたJRA賞の馬事文化賞にも選ばれました。

東北と北海道の自然を舞台として、馬と人との世代を超えた繋がりを表現した非常にスケールの大きな作品です。

 

厳しい自然の中では人間の力も及びません。

しかし、人間も馬もそんな自然の中で必死に生き、その命を後世へと繋いでいくのです。

例えば、雪崩で女性と馬が遭難するという場面があります。

食糧もなく凍える寒さの中でその女性と馬がとった必死に生き延びようとする行動。

その表現の一つ一つが細かでとても臨場感があり、更には読んでいてちょっと背筋がゾクッとする場面もあり、読み進めていくにつれて心臓がドキドキしているのが分かるぐらいでした。

 

昔は馬は農耕や運搬などに使われており、地域によっては家族と同じような存在でした。

この作品では人間と馬との深い絆を感じることができます。

 

著者の河崎秋子さんの本業は何と羊飼いというとてもユニークな経歴の持ち主です。

北海道で生まれ、大学卒業後はニュージーランドで緬羊飼育技術を一年間学んだ後、自宅で酪農従業員をしつつ緬羊を飼育・出荷しているそうです。

 

昨年の文学界は芥川賞を受賞した又吉直樹さんをはじめとして、専業の作家ではない異業種作家の活躍が目立ちました。

違う業種で活躍しているからこそ専業作家とは違った独創的な表現ができるのでしょうし、北海道で動物に携わりながら生活している著者の経験がこの小説に生かされているのではないでしょうか。

 

馬好きの方なら間違いなく読んで損のない超オススメの作品です。

 

 

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ユルリ島に生きる野生馬3

【馬の豆知識】

・ユルリ島に生きる野生馬3

ユルリ島に残っている野生馬は2015年現在でわずか5頭。

その5頭は全て牝馬のため、これ以上は頭数が増えることはなく、ユルリ島から馬がいなくなるのも時間の問題です。

 

馬は自然の中でありのままに生きるのが幸せなのか、人間が管理して生きるのが幸せなのか。

人によってそれぞれ意見が分かれるかもしれません。

しかし、ユルリ島に生きる馬たちにとっては自然の中で生きる方が幸せなのではないでしょうか。

たとえこれ以上、命を繋ぐことができなくてもこの島で生まれこの島で命を全うする。

それがユルリ島の馬たちのあるべき姿でしょう。

 

そして、そんなユルリ島に生きる野生馬の記録を写真として残す一人の写真家がいます。

写真家 岡田敦さん。

岡田さんは北海道で生まれ東京で写真家として活動しています。

ユルリ島の野生馬の写真を撮ることになったキッカケを岡田さんはこう語ります。

「2006年に様々な事情で島には雌馬しかいなくなり、1950年代から約60年以上も続いてきたその命の繋がりが途絶えてしまうと知った時、北海道の大切な文化や歴史として、馬たちが生きてきた証をきちんと写真で記録しなければいけないと感じました。」

ユルリ島の野生馬

 

しかし、ユルリ島は北海道の天然記念物に指定されているため、メディアをはじめ人の立ち入りは禁止されています。

写真撮影の許可を得るには大変な苦労があったのではないでしょうか。

「2010年頃、初めて根室市に問合せをしたのですが、誰もユルリ島の馬の記録をしていないと伺ったので、是非僕にやらせて欲しいとお願いしました。とは言っても、ユルリ島は立ち入りが禁止されていますから、根室市と約2年間交渉を続け、2011年からようやく許可を頂くことができました。ユルリ島で自由に生きている馬の撮影を続けていると、動物にとっての幸せとはなにか、ということをよく考えます。」

岡田さんの情熱によって特別にユルリ島上陸の許可がおりたのです。

今では根室市をはじめ、落石漁業協同組合、島のガイドをしてくださる方など、根室のたくさんの方たちが岡田さんに協力してくれるそうです。

ユルリ島の野生馬2

【岡田さんの撮影する写真からは馬の息づかいまでもが聞こえてくるような臨場感がある】

 

いずれはいなくなってしまう運命にあるユルリ島の野生馬。

しかし、写真として残すことで後世までその生きた証を残すことができます。

ユルリ島での撮影を続けてきての今の心境を岡田さんはこう語ります。

「発表する作品だけではなく、僕が活動を続けることによって周りの人たちの意識や考え方も変わってゆく、そうした変化も芸術のひとつだと僕は思っています。そういう意味でもユルリ島での撮影活動は面白いですし、発言や行動を続けてゆくことの大切さを感じます。街の人たちの島に対する思いが変わってきているのも感じますし、たくさんの方が協力してくださっているので、必ず写真集として形にしなければいけないなと思っています。」

 

ユルリ島の自然の中でたくましく生きる野生馬。

岡田さんの写真によって一人でも多くの方に野生馬の存在を知ってもらいたいと強く願います。

 

次回のブログではユルリ島の野生馬がモデルとなった小説をご紹介します。

→次ページ 小説「颶風の王」へ

 

OKADA Atsushi Official Site
写真家 岡田敦 ユルリ島ウェブサイト http://okadaatsushi.com/yururi_island.html

 

写真家 岡田敦 公式YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/playlist?list=PL_BpdvkbNXgUWznHHKIByojXr2oII60cF

 

写真家 岡田敦 公式Facebook
https://www.facebook.com/okadaatsushi.official

 

岡田 敦 / 写真家 / 芸術学博士

1979年、北海道生まれ。東京在住。2008年、“写真界の芥川賞”といわれる木村伊兵衛写真賞を受賞。その他、北海道文化奨励賞、富士フォトサロン新人賞などを受賞。

主な写真集に、『1999』『MOTHER』『世界』『ataraxia』『I am』『Cord』『Platibe』などがある。

また、映画「ノルウェイの森」(原作:村上春樹)の公式ガイドブックを手掛けるなど、海外からの注目も高い、新進気鋭の写真家である。

その他、北海道根室市からの委託により、ユルリ島に生息する野生馬の撮影を続けている。

 

 

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ユルリ島に生きる野生馬2

・ユルリ島に生きる野生馬2

ユルリ島2

ユルリ島に最初に馬が持ち込まれたのは1950年代の初頭だとされています。

その後、次々に本土からユルリ島に馬が持ち込まれ、馬たちは昆布漁の運搬に活躍しました。

ユルリ島で暮らす馬は、ペルシュロンブルトン、アングロノルマン、そして日本在来種である北海道和種(道産子)などを交配した輓馬型の半血種です。

また、ユルリ島の馬たちの基礎となった4頭の牡馬には改良和種やペルシュロン系と記録されたものや、血統不明の馬もいます。

この地域の厳しい寒さに耐えることのできる頑強な性質を備えた血統といえるのではないでしょうか。

ユルリ島の野生馬

 

馬は30~40m程ある崖の上で、網に詰め木枠に入れられた昆布を櫓に下がった滑車を使って引き上げました。

最も多い時期には、約9軒の番屋と7基の櫓があったとされています。

しかし、1965年以降になると北海道本土に新しい干場ができるようになり、エンジン付きの船も普及しはじめます。

それは、島に渡った漁師にとってユルリ島で生活を続ける必要がなくなったことを意味します。

やがて島から人が去り始め、1971年にはついに最後の漁師がユルリ島を去ると、島から人がいなくなってしまいました。

 

ではユルリ島にいた馬たちも一緒に本土に帰ってきたのでしょうか?

漁師たちは元々、土地を求めてユルリ島にやってきたのであり、本土に馬を連れて帰ってきたところで放牧する場所もなく、肉として売るしかありません。

これまで頑張ってきた馬に幸せな余生を送ってもらうにはどうすればよいか考えた末に漁師はユルリ島に馬を残してくることを決断したのです。

幸いなことに、ユルリ島には馬が食べるための草がたくさん生い茂っており、湧き水も豊富でエサや飲み水には困らない環境でした。

島に残された馬は自らの力で生き、繁殖します。

近親交配を避けるために種馬のみを数年おきに入れ替えられ、牡馬が生まれると間引きされ、多いときにはおよそ30頭の馬たちがユルリ島で生活していました。

しかし2006年、漁師たちの高齢化もあり種馬すべてを本土に連れていくことになりました。

そのため、島に残された馬は14頭の牝馬しかいなくなり、馬が繁殖することができない状況となりました。

 

その後は頭数が減り続け、2011年は12頭、2013年に10頭、2015年には5頭にまで頭数が減ってしまいました。

このままでは近い将来、ユルリ島から馬がいなくなってしまうでしょう。

 

そんなユルリ島の今を記録として残す一人の写真家がいます。

次回のブログではユルリ島の野生馬の写真を撮り続ける写真家をご紹介します。

→次ページ  ユルリ島に生きる野生馬3へ

 

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