馬の種類
御崎馬(岬馬 みさきうま)
御崎馬は宮崎県串間市の都井岬に生息する日本在来馬で国の天然記念物に指定されています。
天然記念物に指定されているため、都井岬からの移動や去勢することが禁止されています。
御崎馬は今から約2000年も昔の縄文時代後期から弥生時代中期にかけて中国大陸から導入された馬が起源と言われています。
御崎馬の体高は約100cm~約120cm、体重300kg前後で日本在来馬の中では中型馬に分類され、毛色は鹿毛、黒鹿毛、河原毛が多く足首が黒いのが御崎馬の特徴です。
体形はがっちりとしていて頭部は大きいですが、農耕馬として飼育された他の日本在来馬と比較すると脚が細いなど幕藩体制下の乗用馬としての特徴が残っています。
御崎馬は牧場が都井岬に開設されて以来、300年以上もの間に人の手をほとんど加えない管理方法で一年中通して放牧されている周年放牧という飼育方法をとられてきたために、都井岬の自然環境(高温多湿、台風の通り道、野芝を主体とした特殊な生物相)に適応した資質が形成され頑強な体質で、斜面が多い都井岬の環境に適した発達した後躯を持ち、また粗食に耐えるなどの特徴を持っています。
御崎馬は育成と繁殖が自然に任されてきたために1頭の牡馬と数頭の牝馬とその仔馬で形成されるハーレムを持ち行動し、季節によって最適な場所へ移動しその過程で仔馬は色々なことを学びます。
例えば、夏と冬では同じ草木でも含まれている成分が変わることから、夏用に食べる草木と冬用に食べる草木を自ら分類している知恵を身に着けています。
ハーレムを持たない若い牡馬などは牡馬だけの群れで行動します。
平均寿命は牡馬で約14歳、牝馬で約16歳。牝馬は3歳ごろから出産し、12歳ぐらいまでほぼ1年おきに平均5頭から6頭を出産します。仔馬は1歳から2歳で産まれたハーレムを離れていきます。
現在は約100頭の自然繁殖集団として維持され、観光資源となっており人間の手はほとんど加えないため、例えば御崎馬が死んでも特に埋葬などはせずにそのまま自然に放置しておき土に還るようにされています。
ここでは本当に自然の中で本来の姿で生きる馬の姿を見ることができます。
御崎馬は自然育成のため乗馬としては使用されておらず、触れることや近づくことは禁止されているので見学する時は遠くから優しく見守ってあげて下さいね。
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