ホースセラピーに使う馬(セラピー馬)はどんな馬なのでしょうか。
例えば、犬ならどんな犬でも盲導犬になれないように、どんな馬でもセラピー馬になれるわけではなく、必要な資質を備えていないとホースセラピーで使うことはできません。
馬を使った競技にはそれぞれの競技によって求められる資質が違います。
例えば、障害飛越競技では障害を飛び越えるジャンプ能力や障害に向かっていく勇敢な精神力が求められますし、エンデュランス競技では長い距離を走り切るスタミナ、持久力が求められます。
また、競馬では他の馬よりも速く走ることができるスピード能力が要求されます。
そして、ホースセラピーで最も求められる資質は人間に対して従順で人間との信頼関係がしっかりとできており、穏やかで優しい性格だということです。
ホースセラピーでは基本的には常歩でゆっくりと歩いて心と身体の癒しを提供します。
障害を飛ぶ必要も速く走る必要もないので運動能力はセラピー馬にはほとんど関係なく、性格が最も大事になってきます。
穏やかで人懐っこい性格、または何か物音がしても驚かない、物見をしないということも大切ですし、もちろん人間を噛まない、蹴らないというのが大前提です。
そして、健康で病気になりにくく丈夫だというのもセラピー馬に大切な要素のひとつです。
ホースセラピーは子供が受ける場合も多いことから、ポニーのような体の小さい馬もよく使われます。
ホースセラピーは心の癒しを与えるものですが、子供がサラブレッドのような大きい馬に乗ってその高さに怖がってしまっては本末転倒です。
なので、小さい体で子供にも安心感を与え、性格的にも大人しいポニーはホースセラピーに適している馬種のひとつなのです。