カテゴリー別アーカイブ: 馬の豆知識

馬にまつわる神社(貴船神社)

馬の豆知識

・馬にまつわる神社(貴船神社)

以前のブログで、馬にまつわる神社として京都の上賀茂神社をご紹介しました。

今回も馬にまつわる神社として京都市左京区にある貴船神社(きふねじんじゃ)をご紹介します。

 

春日灯篭が連なる石段の参道がとても幻想的な貴船神社。

御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)という水の神様です。

貴船神社1

 

御祭神が水の神様ということで、おみくじも水に浮かべるとその結果が書かれた文字が浮かび上がってくるという楽しいものです。

貴船神社2

 

 

こちらが本殿です。

貴船神社は古くから「氣生根(きふね)」とも表記され、氣力の生ずる根源の地であると信仰されています。

貴船神社5

 

 

そして、こちらが現在ではどの神社でも見られる絵馬です。

実はこの絵馬発祥の地がこの貴船神社なのです。

貴船神社3

古来より雨乞いの社として名高い貴船神社では、日照りが続いている時には「黒馬」を、長雨を止ませたい時には「白馬」をその都度奉納し、祈願されていました。

しかし、その都度本物の馬を奉納するのも大変です。

そこで、馬に換えて「板立馬」を奉納したと平安時代の文献は伝えています。

この「板立馬」こそが、現在の絵馬の原形と言われています。

貴船神社の本宮には黒と白の馬の銅像が祀られており、貴船大神の御神霊が込められているとされています。

貴船神社4

 

昔から馬は神様が乗る生き物と考えられていました。

馬を奉納することによって神馬(しんめ)に乗るために神様が降り立つとされていたのです。

本物の馬ではなく絵馬を奉納するようになった現在でも、馬は人々の願いを叶える神様の使いの象徴としてたくさんの人に信仰されています。

貴船神社6

 

 

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馬の病気(日本脳炎)

馬の豆知識

・馬の病気(日本脳炎)

馬にとって最も怖い病気のひとつが日本脳炎です。

子供の頃に日本脳炎ワクチンを注射されて痛い思いをしたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。

 

日本脳炎は蚊によって媒介される病気で、色々な動物に感染しますが、発病するのはもっぱら人間と馬に限られています。

日本脳炎に感染している動物の血液を蚊が吸うと、血液中のウィルスが蚊に感染し、蚊の唾液腺で増殖したウィルスが別の動物の血液を吸う時に感染するのです。

 

日本脳炎ウィルスに感染したとしても発病率はせいぜい0.3%程度で、殆どは発熱程度で回復しますが、脳炎を発症すると致死率は40%程度にもなり、もし回復したとしても脳に後遺症が残ることがあるため、とても恐れられている病気です。

 

発症すると、高熱や沈鬱、興奮、麻痺などの神経症状が現れ、重症になると起立不能や昏睡状態となります。

 

日本ではこの病気は1948年(昭和23年)と1949年(昭和24年)に大きな流行がありました。

しかし、それ以降は日本脳炎のワクチン接種が徹底されていることもあり、大きな問題になるような流行は起こっていません。

そして、今後も日本脳炎が流行する懸念も少ないと思われます。

 

ただ、それでも普段から厩舎周りを清潔にして日本脳炎を媒介する蚊の対策を行うことは大事なことでしょう。

蚊の集まりそうな場所に殺虫剤を撒いたり、蚊取線香を焚いたり、蚊の増えそうな水溜まりを消毒したりと厩舎周りの蚊の駆除などの衛生対策を普段から行うことが大切です。

a pair of horses

 

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馬と世界遺産(始皇帝陵と兵馬俑坑)

馬の豆知識

・馬と世界遺産(始皇帝陵と兵馬俑坑)

 

2017年現在、全世界には合計1073件の世界遺産(文化遺産832件、自然遺産206件、複合遺産35件)があります。

その世界遺産の中で馬と関連があるものをご紹介していきたいと思います。

 

今回ご紹介する世界遺産は中国にある始皇帝陵と兵馬俑坑(しこうていりょうとへいばようこう)です。

始皇帝陵と兵馬俑抗

始皇帝陵と兵馬俑坑は中国の中央部、陝西省(せんせいしょう)西安の驪山(りざん)北麗にあり、始皇帝陵は紀元前221年に中国初の統一国家を築いた秦の始皇帝のお墓です。

そして、その始皇帝陵の周辺を囲むように造られているのが兵馬俑坑です。

 

兵馬俑とは兵士や軍馬をかたどった陶製の像のことをいい、この兵馬俑坑にはおよそ8000体もの兵士の俑が埋葬されています。

そして、驚くべきことにこの兵士の俑は一つとして同じ顔や服装をしたものがなく、等身大で造られているのです。

そして、その兵士の俑とともに600体もの馬の俑も一緒に埋められています。

これを見てもすでに紀元前の頃から馬は人間と深い関係にあったことが分かりますね。

始皇帝陵と兵馬俑抗2

 

この兵馬俑坑は1974年に地元の農民が井戸を掘っている時に偶然に発見されました。

この発見によって秦王朝当時の人々の生活や服装などが分かるようになり、紀元前の中国の生活の様子などが明らかになっていきました。

そして、現在でもこの遺跡の分析作業が続けられています。

 

1987年に始皇帝陵と兵馬俑坑が世界遺産に登録されてからこの周辺は整備が進められ、博物館も建設されているのでそこで多くの兵馬俑を見ることができます。

始皇帝陵と兵馬俑抗3

・始皇帝陵と兵馬俑坑(中国)

文化遺産 1987年登録

 

 

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ドクニンジン

【馬の豆知識】

・ドクニンジン

草食動物である馬は色々な種類の草を食べて栄養源とします。

しかし、植物の中には食べてしまうと毒性のあるものも存在します。

その中の一つがドクニンジンです。

ドクニンジン1

 

ドクニンジンはセリ科の2年草の植物で、1m~2m以上の高さまで育ち、夏にはキレイな白い小花を咲かせます。

英語でヘムロック(hemlock)と呼ばれますが、米国ではポイズンヘムロック(poison hemlock)と呼ばれています。

「ニンジン」という名がついているように、ドクニンジンはニンジン、セロリなどと近縁な仲間ですが、それらとは違いドクニンジンは人間や動物に対する毒として認識されています。

 

ドクニンジンは有毒なアルカノイドの神経毒性のコニインやコニセインを含んでおり、これを食べて中毒になると筋肉の弛緩、運動失調、チアノーゼ、麻痺、頻尿などの症状を示し、重篤な場合は死に至ります。

 

ドクニンジンの原産地はヨーロッパですが、北アメリカや北アフリカ、中国などにも帰化しており、日本でもヨーロッパと気候が似ている北海道の山野に帰化が見られ、日本各地に広がりつつあるようです。

ドクニンジンは山菜として食用とされている同じセリ科のシャクとよく似ているため、誤食して中毒が起こった例もあります。

 

馬は採食の際、ドクニンジンを避けて食べる賢さがあると考えられますが、放牧地などにドクニンジンを発見した場合は駆除しておくことが放牧地の管理において重要となってきます。

 

ドクニンジンは人間に対しても毒性があり、古代ギリシャの哲学者ソクラテスの処刑の際に毒として使われたのがこのドクニンジンだったと言われています。

ドクニンジン2

 

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