・常歩の重要性
乗馬においてよくある悩みのひとつに「駈歩発進ができない」というのがあります。
駈歩が出せない原因は正しい扶助が送れていないというものがありますが、もう一つ「準備運動が不足している」という原因もあります。
人間でも運動する前にはアキレス腱を伸ばしたり、屈伸運動をしたりと準備運動をします。
準備運動をせずに走っても体が動きにくいですし、怪我の原因にもなりますよね。
それは馬にとっても同じで、シッカリと時間をかけてよい準備運動をしてあげれば駈歩もスムーズに発進できるようになりますし、キビキビとしたよい運動ができるようになります。
そして、その準備運動として大事なのが常歩です。
今回は常歩の重要性についてご紹介したいと思います。
【常歩での準備運動】
馬場に出たら常歩をしばらく行いますが、この常歩は大事な準備運動となります。
常歩は速歩や駈歩などに比べると乗っていてつまらない運動かもしれません。
なので、速歩や駈歩に重きを置いて常歩は蔑ろにされがちですが、キチンとした常歩を行うことは非常に大切なことなのです。
最初は手綱を伸ばして馬に任せたゆっくりの常歩、そしてその後はシッカリと脚の扶助を使ってキビキビとした常歩で歩かせましょう。
【なぜ常歩が準備運動として効果的なのか】
実は、常歩で運動するということは背骨のストレッチ運動をしているということになります。
常歩で動いている時の馬の頭の動きを見てみると、上下左右に細かく動いています。
そして、正面からその動きを見てみると数字の「8」の字を横にしたような動きになっています。
では、速歩ではどうでしょうか。
馬が速歩で運動する時の頭部の動きはほとんど固定されています。
速歩で馬に乗っている時に上から眺めてみると馬の頭はほとんど動いていないことが分かるでしょう。
頭が動いていないということは、馬は速歩の時には背骨の屈曲動作がほとんど行われていないということを意味しています。
では駈歩の場合はどうでしょうか。
駈歩の場合は背骨の屈伸動作は大きくなります。
しかし、それは上下方向への背骨の動きとなるので、横方向への背骨の動きとなると実は常歩での運動が一番大きいということになるのです。
このように常歩はストレッチ運動としてとても重要な役割を果たしています。
「すべての運動の基本は常歩」なのです。
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