シャドーロール

【馬の豆知識】

・シャドーロール

前回はブリンカー(遮眼革)という馬具をご紹介しました。

馬は視野が広く、真後ろ以外の約350度を見渡すことができます。

しかし、集中力に欠ける馬や臆病な馬などは視野の広さがアダとなり運動に集中できなくなるというケースもあります。

そういう場合には後ろを見えにくくするブリンカー(遮眼革)が効果的なのですが、今回ご紹介するシャドーロールは下を見えにくくする馬具です。

シャドーロール
【白いシャドーロールを着用する馬  画像Dennis W. Donohue / Shutterstock.com】

シャドーロールは頭絡の鼻革にボア状のものを装着したものです。

物の影などに驚いたりする馬に対して、下方を見えにくくすることによって前方に意識を集中させる効果があります。

また、特に競走馬の場合だとシャドーロールを装着することによって遮られた下方を見ようとして頭を下げることを利用して、頭の高い馬の走法を矯正したり、首を上手く使えるようになることによって身体全体を上手く使って走ることができるようになるという効果も期待できます。

シャドーロールもブリンカーと同じで馬によっては効果が出にくかったり、装着する事で逆効果になることもあるので、その馬の特徴に合わせて使用することが好ましいです。

 

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ブリンカー(遮眼革)

【馬の豆知識】

・ブリンカー(遮眼革)

以前にも馬の視野についてご紹介しましたが、馬の視野は両目で何と約350度もあり、真後ろ以外はほとんど全て見えるのです。

このような広い視野は野生で生活していた時代には肉食動物から逃げ延びるためにも大変重要なものでした。

もちろんこのような広い視野は馬にとっては非常に都合のいいものです。

しかし、乗馬もしくは競馬などでは逆にこの広い視野がデメリットになることもあります。

 

人間でもそうですが、集中力がなく周りを気にしてばかりの馬も中にはいます。

また、臆病で周りの風景に気を使いすぎてしまう馬もいます。

そうすると運動に集中できず、また人間の指示にも素直に従いにくくなってしまいます。

 

こういった馬にはブリンカー(遮眼革)という馬具が用いられることがあります。

ブリンカーは馬の顔を覆うマスクの目の部分の穴の後ろ側の部分に半球状のカップが取り付けられたものが標準的です。

ブリンカー(遮眼革)

ブリンカーによって後ろの視野を制限された馬は前方に集中することができ、今までとは見違えるように乗りやすくなることもあります。

しかし、馬によってはブリンカーをつけることによって逆効果になることもあるので、その馬に合った使い方をするのが重要になってきます。

 

乗馬の場合はブリンカーを着用する馬の割合はまだ少なめですが、競馬の場合はブリンカーを着用する馬をよく見かけます。

 

今週末の宝塚記念に出走するゴールドシップもブリンカーを着用して宝塚記念3連覇を目指します。

ゴールドシップ
【ゴールドシップ 画像提供https://photozou.jp/user/top/745137】

 

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海馬

【馬にまつわる言葉】

・海馬(タツノオトシゴ)

タツノオトシゴという魚がいます。

タツノオトシゴ

魚とは思えないような変わった姿のこの生き物ですが、タツノオトシゴを漢字で書くと「海馬」となります。

これはタツノオトシゴの顔が馬の顔の形に似ていることから海馬という漢字になり、ウマノコ(馬の子)やウマノカオ(馬の顔)、ウマヒキ(馬引き)、リュウグウノコマ(竜宮の馬)、ウマウオ(馬魚)などタツノオトシゴは地域によって様々な別名がありますが、どれも馬にちなんだ別名がつけられています。

また、タツノオトシゴは英語では「seahorse」と呼ばれています。

ちなみに人間の脳で海馬という記憶形成に関わる器官がありますが、これはこの器官の形がタツノオトシゴに似ていることから名付けられたそうです。

 

「海馬」とは元来、ギリシャ神話に登場する海の神様であるポセイドンが乗る馬車をひく空想上の馬(頭と胴は馬で、魚の尾を持ち前脚に水掻きを持っている)ヒッポカンポス(hippocampus、ラテン語で馬と海獣を合わせた合成語)のことです。

ヒッポカンポス

「ヒッポカンポス」はその後、タツノオトシゴ属の学名に使われるようにもなりました。

 

このようにタツノオトシゴのような他の生き物の漢字に馬が使われることからも、馬ははるか昔から人間と深いつながりを持っていたことを感じさせられますね。

 

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馬の進化の痕跡

【馬の豆知識】

・馬の進化の痕跡

馬の最古の祖先は5000万年以上も前から存在していて、馬は長い年月をかけて進化を繰り返してきました。

色々な部位が進化してきましたが、一番大きな進化といえばやはり肢でしょう。

 

草食動物である馬は肉食動物から逃れるために速く走らなければいけません。

そこで第三指(中指)を長大化し、それ以外の指は退化していきました。

つまり馬は中指一本で地面に立っている状態なのです。

 

何千万年もかけて進化させてきた馬の肢ですが、こうした進化の証拠は資料のみではなく実際に馬を見ることでも感じることができます。

 

例えば、夜目(または附蝉)と呼ばれる部位があります。

夜目は肢の内側にあり、約5センチほどの大きさで角質でできています。

実際に触ってみると周りの皮膚とは硬さや手触りが全く違います。

この夜目は犬や猫における肉球のようなもので、走る際のクッションとしての役割を果たしていました。

夜目はこれらの肉球が進化の過程で中指が長くなることにともない上部に移動して、痕跡として残ったものなのです。

ちなみに、現代の馬にとっては夜目は何の役割も持っていません。

 

また、前ひざから球節までの肢の骨を菅骨(第三中手骨)と言いますが、この菅骨の左右には細い骨(副中手骨)が途中まで付いています。

この左右の二本の骨は進化の過程で退化した第二指と第四指の痕跡なのです。

 

人類の誕生する前から地球上に存在していた馬の祖先。

途方もなく長い年月をかけて進化してきた証を現代の馬の体の痕跡からも見ることができるのです。

夜目
【肢の内側にある夜目。馬の進化の痕跡を感じることができる部位です。】

 

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