馬の肺

【馬の豆知識】

・馬の肺

最近のこのブログでは馬の内臓のことについて触れてきましたが、今回も馬の内臓シリーズということで馬の肺について触れたいと思います。

肺は酸素を吸収し二酸化炭素を排出する役割を持っています。

馬は激しい運動をする時には大きな鼻から少しでも多くの酸素を取り入れようと、鼻孔の筋肉を使い鼻の孔を押し広げています。

馬は長い距離を速いスピードで走ることができますが、走行中は大量のエネルギーを消費するために、大量の酸素が常に必要になってきます。 その酸素を効率よく身体中に送れるようにするために、前にブログでご紹介したような大きな心臓であったり、血液の造りであったり、その血液を大量に蓄えることができる脾臓であったりと馬は運動するのに非常に効率的な身体の造りになっています。

今回ご紹介する肺ももちろん運動する上でとても重要な役割を果たしています。 人間の肺の重さは体重の1%にも満たないですが、馬の肺の重さは体重のおよそ1.5%を占めます。

肺の中には肺胞と呼ばれる小さな袋があり、その肺胞はたくさんの毛細血管に包まれています。 その肺胞の壁を通して酸素と二酸化炭素の交換が行われますが、肺におけるガス交換は肺胞の総表面積が広ければ広いほど効率よく行われます。

例えば人の肺胞の総表面積は約70~80平方メートルです。 これはよく言われる話でみなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、テニスコート1面分に相当します。 人間でもこれだけ効率よく肺でガス交換を行っていますが、馬は当然それ以上の肺胞の表面積でおよそ2500平方メートルにもなります。

これは何とお城ほどの表面積があるということです。

馬の肺の中では、いかにたくさんのガス交換が行われているかが分かりますね。

ちなみに多くの哺乳類では右の肺の方が左の肺よりも大きくできています。 これは心臓が左の方に位置しているために左側の胸腔が狭くなっていることや、右肺が大量の空気を送り込む仕組みになっているためです。 ちなみに右左の容積比は人間で8:7、馬で4:3の割合となっています。

 

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馬の脾臓2

【馬の豆知識】

・馬の脾臓2

前回は脾臓(ひぞう)の機能について書きましたが、今回もその続きです。

馬は脾臓の中に濃厚な血液を大量に蓄えています。

その大量に蓄えられた血液を運動中に血流中に放出することで、酸素の運搬能力を向上させることにより運動パフォーマンスを上げています。

このように脾臓に蓄えられた血液は必要になったときにだけ使われるという点で非常に効率的な仕組みになっています。

しかし、その脾臓は血液を貯蔵する環境としては決して良い環境とは言えません。

なぜならば、脾臓の中は酸性度が高いので赤血球が長い間貯留していると表面が硬くて多くのトゲがある異常赤血球に変化していってしまいます。

この異常赤血球は正常な赤血球に比べると酸素の運搬能力が劣り、表面が硬いので変形しにくく毛細血管を通過できなくなります。

なのでこの異常赤血球が脾臓から血中に流れ込んでも、運動パフォーマンスの向上にはつながりにくくなってしまいます。

そこで、この異常赤血球を出現を防ぐ方法として、何日かに一度は強い運動負荷を与えて脾臓に蓄えられた血液を入れ替えることが必要となってきます。

例えば競走馬の場合では400m~800mの距離の全力疾走を2日か3日おきに行うことで脾臓内の血液を交換でき、異常赤血球の出現を抑えることができると言われています。

このように競走馬が毎日のように行っている調教はただ肉体面の鍛錬だけでなく脾臓内の血液を交換させ、常に新鮮な血液を脾臓内に蓄えておくためという側面も持っています。

脾臓2
(競走馬が日々行っている調教では外面的なものだけではなく内面的な鍛錬という意味合いも持っている)

 

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